社員コラム(U.N)『市場の変化に対応した富士フィルム』

皆さんもご存じと思いますが、富士フィルムという会社があります。
最近では、抗インフルエンザのアビガンという薬を開発した富山化学の親会社と
いうこともありニュースなどで耳にする機会も増えています。
この富士フィルムという会社は、2006年9月まで富士「写真」フィルムという社名でした。
20代前半の方は、ものごころついた時からデジカメだったのかもしれませんが、
それ以前は写真フィルムの時代でした。
富士写真フィルムのフィルム事業の売上ピークは、2000年頃でした。デジカメの台頭もあり、
フィルム事業の売上はこのあと10年間で1/10にまで落ち込みます。
富士フィルムの売上規模で2600億円が消失しています。
この劇的な市場の変化より、フィルム事業の世界的な大企業であるイーストマン・コダックでさえ、
この逆流に飲み込まれ2012年に破綻してしまいました。
しかしながら、富士フィルムは2000年から10年間で売上を約1.5倍に成長させています。
当時、社長であった古森(こもり)社長は、「自動車が売れなくなったトヨタ、鉄がなくなった新日鉄はど
うなるのか」そういったことを考えてビジネスモデルを再構築したそうです。
その再構築の中では、医療用フィルムやアスタリフトという化粧品など
新たなビジネスを軌道にのせています。
これら新規分野は、もともとの写真フィルムの技術の応用から始まっています。
まったくの新規技術ではありませんが、自社技術を生かした新規事業で会社そのものを
大きく変革させています。
会社名を変え事業内容を大きく変貌させながら成長した「富士フィルム」。
我々も10年、20年先を考えたときにトータルパッケージプランでいられるのか、
それとも事業環境が変わり、パッケージだけではなく新たな事業領域に踏み出していく必要があるのか。
「変化」については常に意識していかなければならないと実感しています。

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