今年はコロナ等いろいろな変化がありました。ガラっと空いている売り場をみて、家に充分にあるマスクをついつい買ってしまったり、レジ袋有料化で実際自分があまり使わないはずのエコバックを買ってみたり、ついつい周りに流されて買い物をしてしまうことも多くなりました。
こういった心理的行動と経済活動を合わせて『行動経済学』と言います。そこで「ヘンテコノミクス」という本を紹介します。行動経済学について分かりやすく漫画で描かれて誰でもわかりやすく読める本です。
その中で一つ、とある保育園でお迎えが約束の時間より遅くなるお母さん達が増えました。いつもすみませんと迎えにくるのですが、先生達は私たちは構わないけど待っている子供達がかわいそうだと新しいルールを考えました。お迎えの時間を過ぎた場合には追加料金500円としたのです。これによって遅刻は改善はされたと思いますか?正解は、翌日から時間を過ぎても迎えに来ないお母さんがむしろ増えてしまいました。料金を払っているから罪悪感なく遅刻出来るとお母さんたちは考えたからです。
時間を過ぎた人の500円支払制度は保育園側から見た視点での改善であり、実際の対象となる保護者からの視点で問題解決をしていませんでした。なんとかするために超過料金制度(=罰金)を導入しましたが、その制度によって「お金を払えば遅れても大丈夫」という真逆の意識の変化を引き起こしてしまったのです。このような事を「罰金による罪の意識の軽減」と言います。
仕事でもメーカーお客様の間に立っているため、問題解決には一方的な自分の視点ではなく、相手側からの視点を優先に考えることはとても重要だと思いました。